tortillaの日記

文章を書くのは日々のできごとの整理。

元彼

精神的に疲弊しているとき、よく大学時代の元彼が夢に出てくる。哀れに思ってそうな目で私を見つめてくる。最近、そんな夢を見ることが続いている。余計に疲れる悪循環だ。

別に彼に会いたいとか、男として好きだという感情はもうない。ただずっと夢に出てくる。あの頃の姿のままで。そして、私の苦労を認めた上で、哀れみを露わにされる。

それが、現実ではなく、自分の頭の中で起こったことだと思うとさらに、言いようのない虚無感に襲われる。まだ彼にバカにされたいのか、まだ彼が恋しいのか、彼を失ったことを後悔しているのか、そんな考えが頭の中でぐるぐる回る。

彼と付き合ったのはせいぜい半年といったところだったが、その半年は自分の中の黒歴史で、本当に振り返って思い出したくもない。サークルの幹事長に指名されて、いやいやながらやっていた時期だった。精神的にも辛く、しかも他人を頼ることも他人の気持ちも顧みることもなかったので、ただ1人で空回りしていた。どうしてそんな私と付き合いたいと思ったのか、謎だが、ずっと一目置いていた彼からの告白だったので、舞い上がって、OKしてしまった。

当然私は彼の気持ちを顧みることはなく、自分がいいと思ったことを彼に言い、自分の気持ちを言葉にするのが苦手だったので、彼ならきっとわかっているだろうと、傲慢に甘えてもいた。そんな私に愛想をつかしたのだろう、半年で振られてしまった。「また別の世界で会いましょう」と言う、今思えば謎の言葉を残されて、彼は私から去って行った。

てっきり普通の友だちに戻れると思っていたが、そんなこともできず、私は中国へ、彼は他大の大学院へ向かって行った。

数年前、彼からFBの友だち申請があり、彼の近況については知っているが、会おうという気持ちは全く起こらない。互いに家庭もある。

彼は季節感を大切にしている人で、言葉の使い方が上手だった。詩的な表現も、簡潔な表現もその場にあった表現方法ができる人だった。教養もあり、頭もよかった。彼と話すこと、彼の話を聞くことがとっても楽しかった。お酒も飲める人だった。

私が悔いていることは、大切だった友だちをどうして彼氏にしてしまったのか、この一点だけだ。そう思っている限り、彼は私の夢に出続けるのだろうか。