tortillaの日記

文章を書くのは日々のできごとの整理。

妊娠発覚~流産③


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②の続き。

ある日、夫が花束を買ってきてくれた。どうしてか聞くと、「今まで花をプレゼントしたことないし、子どももできたし、プレゼントしたくなった」と言ってくれた。急いで花瓶を買いに行き、水切りをしたり、何とか長持ちさせようと手入れに励んだ。紫を基調とした花束で落ち着いた上品な美しさがあって、下の子も気に入っていた。枯れてしまう前に押し花を作ったり、楽しませてもらった。

そんな日々を過ごしているうちに、3回目の診察の日が来た。今日心拍が確認できれば、母子手帳をもらいに行けるかなーと仕事の間も楽しみにしていた。いつもの通りエコーをしながら、医者は「あまり大きくなっていませんね。心拍も確認できませんから、流産かもしれません。もう1週間様子を見ましょう。出血があった場合はすぐ来てください。」と言った。その医者はもともと感情を表に出さない淡々とした話し方をする女性で、何もかもがいつも通りだった。私もその時は「そうか、流産か」と思ったくらいで、その他のことは何も頭に浮かばなかった。夫にはその日診察に行くことを伝えてあり、いつも診察後簡単にLineをしていたので、いつもと同様、「流産かも、だって」とLineして、帰路に就いた。

家に着いて、携帯を見ると、夫からいくつかのLineメッセージと何件かの着信があった。返事のLineをすると、すぐ電話がかかってきた。診察結果を説明すると、夫は「流産を防ぐ注射があるから、夜一緒に病院へ行って打ってもらおう」と言ってくれた。どんなものだろうと思って、ネットで調べてみると、妊娠を継続させるためのホルモン剤のようだった。

義母も子どもを連れて帰ってくると、すぐ私の部屋に来て、「どういうこと!?」と私に聞いてきた。夫から話がいったのだろう、義母にも診察結果を説明した。「どうしてこんなことになっちゃったのかしら。とりあえず、夜2人で病院へ行ってきなさい。夕食まで休んでいなさい」と言われた。一人静かに部屋の中で座っていると、だんだん現実がわかってくる。前妻がそこで出産したからと避けていた病院へ行くことになってしまった。初期流産はよくあることだと聞いていたが、まさかこんな身近だとは思わなかった。これからどうなるんだろう。頭の中でぐるぐる回る不安感と強い疲労感。知らない間に寝てしまったようで、ドアの開く音で目が覚めた。夫が帰ってきた。「夕飯を食べて、病院へ行こう」と言われ、準備をした。病院について受付に確認すると、夫が知っているという医者が診察しているということだったので、その先生にかかることにした。

エコーをしてもらうと7週目の大きさ(実際は8週目)だけど、心拍はない。でも異常も見当たらないので、排卵が遅れていたのかもしれないし、注射を打って一週間安静にして様子を見よう、ということになった。少しほっとした。
1週間絶対安静できるよう、職場のマネージャーに経緯を説明して、休みをもらうことにした。心拍が確認できるまで報告しない、ということに何も意味がないことがわかった。

 続く

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